@article{oai:aichi-pu.repo.nii.ac.jp:00000834, author = {高井, 由香理 and タカイ, ユカリ and TAKAI, Yukari}, journal = {紀要. 地域研究・国際学編}, month = {Mar}, note = {P(論文), 20世紀をとおして、アメリカ合衆国を目指したアジアからの移民たちは、合衆国南部から北部や西部の都市へと移動した「大移動」(the Great Black Migration)を構成したアフリカ系アメリカ人の移民とその子孫たちに労働市場、住居、公民権闘争など様々な場で遭遇した。しかし、これまでのアメリカ史研究においては、アジア系移民と「大移動」に参加した黒人たちを比較研究する試みはほとんどみられなかった。その背景には、異なる人種範疇に分類された人々についての独立・孤立した研究が主流をしめてきたエスニック・スタディーズの状況と、合衆国国内における移動と、太平洋(あるいは大西洋)を渡ってアメリカに移民した人々の移動を切り離して語る従来の移民史研究の傾向を指摘することができる。しかし、「異なる研究者」によって生み出された「孤立した先行研究」(Charles Hirschman, Philip Kasinitz, and Josh De Wind, 1999)は、20世紀アメリカ合衆国で起きた複数の移民という現象を一体化あるいは相対化して捕らえることなく、多くの場合分断された形でしか理解し得ない現状につながっているといえるだろう。本稿は、アフリカ系アメリカ人とアジア系アメリカ人に関する、それぞれ膨大な先行研究の一端に依拠しながら、アフリカ系アメリカ人の「大移動」とアジア系移民の移動という二つの移動について比較・検討を開始するためささやかな試みである。1900年から1970年にかけての「大移動」と19世紀後半から20世紀を通じて現在まで続くアジア系移民の流れの原動力は、どこにあり、どのような共通点と相違点がみられるのか。ジェンダーは、南部黒人とアジア系の人々が描いた移動の軌跡と移民経験にどのような影響を与えたのか。「大移動」の構成者と黒人指導者たち、そしてアジア系移民とその子孫の二「人種」間の関係は、どのような変遷をたどったのか。本稿では、以上の三つの問いを社会史の視点から考察することによって、合衆国における国内移動と国際移動、異「人種」の移動に関する切り離された知識を結びつけ、より体系化した移動の歴史理解を促すための一歩を記すことを目的とするものである。}, pages = {29--51}, title = {南部黒人の「大移動」とアジア系アメリカ人移民に関する比較研究 : 社会史研究の視点から}, volume = {38}, year = {2006} }